2016年3月12日土曜日

アメリカで出産〜出産後から退院まで〜【2015年6月26日】

以下は2015年6月26日に書いた記事です。

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イギリスのキャサリン妃が出産の半日後に退院したことについて、日本では早すぎる〜って話題になったそうですね(日本は一週間くらい入院するのかな?)。アメリカでは経膣分娩で母子ともに異常がない場合、二泊で退院するのが一般的です。わたしは、5月17日の午前3時半に入院し、5月19日の午前11時に退院しました。今回は出産後〜退院までの流れについて、アメリカの病院での体験を書きたいと思います。


【出産直後】
5月17日、午前7時13分、元気な産声を上げた息子。すぐにわたしの胸の上に置かれ、skin-to-skin(カンガルーケア)をしました。生まれたての息子、予想以上に大きくてシワもなくプリンプリンしていて、この生命体がちょっと前までお腹の中にいたのかい!?ってとても不思議な感じがしました。可愛いとか愛おしいとかそういう感情はまだ沸かず、ただただ生命の神秘というか生き物の凄さというか、ナショナルジオグラフィック的に客観的に感動していました。

初乳を与えたり(生まれたてなのに逞しく吸い付いてきて、ちゃんと生きる術を身に付けているのね〜と関心した)、チビの顔をまじまじと見たりしている内に、胎盤が出たり、会陰切開の傷を縫われたりしていましたが、無痛の麻酔が効いているからか全く何も感じない。旦那は持ってきたカメラでわたしとチビの初の交流を記録に残していました。その後、チビは体重と身長を測定しビタミンKの接種をし、ジョータに抱かれ父とのボンディングタイム。

体重は7ポンド7オンス

ひとしきりチビと戯れ、両家の親族に電話連絡を入れ、看護師さんと雑談している内に後処置が終わり、わたしはストレッチャーに乗り入院する部屋へ移動しました。母子同室なのでチビも一緒に移動。ジョータも入院グッズなどの荷物を持って移動。途中すれ違った看護師さんたちから「congratulations!!!」と声をかけられました。


【入院生活】
入院する部屋はもちろん個室。出産の部屋より小さい部屋でしたが、ビジネスホテルのような感じで快適でした。パートナー用の簡易ベッド(ベッドになる椅子)もあり、ジョータはそれを使用して二日間宿泊し一緒に過ごしました。日に二回程度寝具を新しくしてベッドメイキングもしてもらえました。

ジョータのベッド(兼荷物置き)

出産後待ち受けている関門
出産後の第一関門はオシッコ。。。移動直後はまだ無痛の麻酔が効いていて(2時間位は足がピリピリしていたけれど、その後徐々に感覚が戻ってきた)歩くことができないので、出産時から引き続きカテーテルを尿管に挿入していましたが(麻酔のおかげ?で挿入時も何も感じませんでした)、しばらくして外しました。とにかく水分を大量に摂るように指導され、朝食後(と言ってもバタバタしていて10時過ぎに食べた)なんとなく尿意を感じたような気がしたので看護師さんを呼び、ベッドから立ち上がってちゃんと歩けることを確認し、付き添われて部屋の中のバスルームに移動し、便器に設置したカップ(尿の量等を確認するためのものかな)の中に自力でオシッコをしました。まだ痺れたような感覚があってちゃんと出ているのか不安でしたがなんとか達成。なお、看護師さん付き添いのトイレは2回だけで、その後は便器のカップも外し、普通に1人で用を足すことになりました。出産後のオシッコ、色々めちゃくちゃだし、悪露も酷いし、会陰切開もしていたので、もちろん普通に紙で拭けるはずもなく。。。簡易ビデになるボトルをもらって、水で洗い流しました。ちなみに大きい方について、これまた突破しなければならない出産後の関門(ある意味最大の関門)ですが、便秘薬も食事毎に処方されて、退院時にスッキリさせることができたので一安心でした。ただ、数日間はするのがなんとなく怖かったけど。


病院でもらえたものについて
洗い流し用のボトルの他に、ショーツや悪露用ナプキンについても使い捨ての物がもらえました。入院の持ち物リストにショーツ2枚と書いてあったので持参していましたが、正直いらなかったわ。実際、産後のめちゃくちゃな状態では、汚れても何しても気にならない病院のショーツが楽でよかったです。もちろん使い捨てなのでペラッペラでショボいのですが、メッシュで通気性もいいし、よく伸びるから産後のまだ膨らんでる腹にもいいし。わたしは比較的こだわりがないタイプなので、これで十分でした。退院時には余ったショーツとナプキンを持ち帰り、悪露が酷い数日は家でもこれを使用していました。これ以外にも、入院の持ち物リストに載っていた物のほとんどが不要でした(わたしの産院の場合です。→ここ)。本当、自前の物じゃなきゃ嫌よって人じゃない限り、着の身着のままで入院しちゃっても大丈夫だと思う(歯ブラシとかも使い捨てをもらえました←急な陣痛のため最後に入れようとしていた物を根こそぎ家に忘れた人・・・)。たった二晩だし。赤ちゃんの用品についても退院のときに着せるもの以外は全てそろっています。


入院中のスケジュール
入院中は母子同室ということもあっていきなり睡眠不足。しかも入院期間が短いため、あらゆる検査等が詰め込まれていて、わたしは大統領の秘書か(チビが大統領)ってくらい様々なスケジュールをこなさなければいけない。

壁にはられたやることリスト

☆入院中にしたこと
出産当日の5月17日
  • 母乳育児の指導(これは授乳の際に退院まで毎回あった)
  • 沐浴指導
翌日5月18日
  • 出生証明書(Birth Certificateについては手続きを全て病院でしてもらえた)
  • 両親へのワクチン(Tdap百日咳、破傷風、ジフテリアの三種混合と風疹。わたしは妊娠中にTdap接種済だったので風疹のみしました。ジョータは両方接種済だったので無し。)
  • カーシート取り付け指導(法律でカーシートの設置が義務付けられているため)
  • 聴覚検査
  • 先天性心疾患検査
  • 記念のフットプリント(その他写真のサービスも有料でありましたがジョータが断りました。。。)
  • ホームケア(これが何だったのか忘れた・・・)
  • マッサージ(リラクゼーションの音楽をかけながらのオイルマッサージ)
退院日5月19日
  • 新生児スクリーニング(血液検査。結果は後日と言われ、未だに結果が来ない)
  • 新生児黄疸検査(Jaundice血液検査。問題なし)
  •  退院手続(病院やナースについてのレビューなど)

チビの検査は、事前に見つけておいた小児科医の先生が産院に訪ねて来てやってくれました。この先生、白人で日本語は全くわからないのだけれど、なんと先生の息子が日本人女性と結婚しているとのことで孫はハーフ。わたしが日本人だと言うと「日本のどこ出身?」と聞かれ、「静岡です」って答えたら「本州だね」と。義娘が北海道出身だそうですが、本州だねっていう返しは予想していなくて面白かったわ。

☆割礼(Circumcision)について
そうそうチビ関連で重要なことがひとつ、It's a boyだったので、割礼(Circumcision)についてどうするか決める必要がありました。割礼って日本だと一般的じゃないと思うし、宗教的に行うイメージがしますが、アメリカの男子の場合60%以上が宗教とか関係なく幼い頃にやっているそうで、けっこう当たり前にやるものだと考えている人も多いです。うちは家族で話し合った結果、やることにしました(男特有の事だし最終的に父親のジョータが決めた)。処置は月曜の夜に行われ、5分程度で終わりました。砂糖水を含ませたおしゃぶりをしゃぶってハッピーになっている間にさっさとやってしまったので、泣きもしませんでした。その後特に変わった様子もありません。わたしは女だし、男子の下事情についてはよくわかりませんが、まぁこれで大人になってから悩んだりすることがなくなるのであればいいんではないか。。。という感じです。

他には、育児指導チャンネルみたいなものが備え付けのテレビで放送されていたのでジョータと一緒に観ました。SIDS(乳幼児突然死症候群)やSBS(揺さぶられっ子症候群)等について特に観ておくようにとのことでした。


☆母乳育児について
わたしの産院は母乳育児についてけっこう積極的なようで、妊娠中から母乳育児の指導のビデオを見るように勧められたりしていました(予定日直前には母乳育児クラスも取る予定でしたが、その前に生まれちゃってキャンセル・・・)。入院中もちょこちょこと看護師さんが現れては授乳の指導をしてくれました(超眠いときに限って現れる・・・)。

いつ何分どちらの乳で授乳したか、尿や便は出たかを記録するボード

それでもたった2日の入院生活で母乳育児が軌道に乗るはずもなく、今も悪戦苦闘しています。でも、何かあれば病院の手助けが受けられる環境なので、心強いし、何よりも病院の後押しがあって自分自身が母乳育児に積極的になれたのは良いことでした。


入院生活、とにかく入れ代わり立ち代わり人が現れるし、息子は泣き叫ぶし、全然眠れませんでしたが、わたしもジョータもアドレナリン全開だったので疲れはしたもののそこまで苦にはなりませんでした。身体の方もボロボロでしたが、痛み止め(イブプロフェン)をちょこちょこ飲んでいたので、後陣痛はほとんど感じませんでした(それよりも点滴の針を刺しているのが地味に痛くて嫌だった)。毎回痛みを数字で言わされましたが、痛み止め飲んでるし、2とか3とか適当に答えていました。

痛みのレベル表。確かに陣痛はWorst Possible Painだったわ

翌日にはシャワーも普通にひとりで立って浴びられました。ただ、会陰切開の傷は曲者で、これのせいで座ったり大股で歩いたりするのに難儀しましたが(抜糸不要の糸のせいか余計に引きつり感が気持ち悪かった)、2週間くらいで痛みはほぼ消えました。来週6週間目のチェックを受けに行くので、順調に回復していればいいな〜と思っています。なお、わたし個人の妊娠出産で辛かったことの順番としては、まぁ、順位をつけるのは難しいけど、一位がつわり、二位が産後の会陰切開の傷、三位が陣痛って感じでしょうか。陣痛はピークの痛みを経験し、もちろんすごく痛かったんだけど、わたしの場合無痛もやって長時間じゃなかったし子どもに会えるという終わりが見えている痛みなので、辛さという点では三位ということで。

【入院中の食事】
食事は朝昼夜と規則正しく出てきました。基本的にパートナーの分はありませんが、メニューが豊富で量が多いものを選んだので、二人でシェアして食べることができました。

メニュー。色々選べる。

産んだ日の朝食

部屋の外にある冷蔵庫には、水や果物系のジュース、ゼリー等が置いてあったので、のどが渇いたとき小腹が空いたときにジョータに持ってきてもらっていました。

【退院の日】
退院は午前11時の予定でしたが、友人が同日朝に同じ病院で出産し、そのお見舞いに行ったりしていたので(病室がすごく近くてびっくり)、結局1時間半くらいオーバーしてしまいました。退院のときにはお決まりの車椅子で。これが人生初の車椅子体験でした。出口に旦那が車を回してくれたので、そこからひとりで歩き、カーシートに乗ったチビをそのまま車に乗せ、家路につきました。二日間留守にしていた部屋は、シンクに食器がそのままになっていたり、風呂場がゴチャゴチャしていたり、テニスボールが転がっていたり。。。出産のバタバタのままの状態になっていましたが、腕の中で寝ているチビを見て、あぁ、産んだんだ〜って実感しました。そして3人の天手古舞の日々の幕開け。


振り返ってみて、とても快適な入院生活でした。看護師さんもフレンドリーで対応良かったし。ジョータも「VIPな旅行に行っているかのような二日間だった」と言っていました。日本の病院はどんな感じか知りませんが、今回の体験がなかなか素敵だったので、また子を産む機会があればアメリカで産みたいな〜なんて思っています。

以上アメリカでの入院レポートでした。
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